~蔵前工房紹介~
高級皮革製品を展開するブランド『T・MBH』の工房にお邪魔させていただき、
革小物司 岡本拓也さんに同ブランドのこだわりなど、いろいろとお話を聞かせていただきました。
『T・MBH』手作業へのこだわり
T・MBH(エム ビー エイチ)は革小物司 岡本拓也のデザイン、作成、作成指導によって蔵前工房で作成されたオールハンドメイドの革製品です。ステッチは全て手縫い、自家染色にて染めた麻糸を採用。またコバ仕上げは、何工程もある独自開発の本磨きで、ペーパー掛けまで全て手作業。あらゆる製造工程において「手作業に勝るものはない」との徹底したこだわりが貫かれ、一切ミシンは使用しない完全ハンドメイドの皮革製品を作り上げています。

ステッチの穴あけ作業

手縫い作業
ステッチの穴あけは専用器具を使い手作業で行っています。縫いの作業はミシンだと数秒しかかからない作業を100倍もの時間をかけて、一穴ずつ確認しながら丁寧に作り上げます。岡本拓也さんは「手間と時間のかかっている価値あるもの、持っていて良かったとお客様がわかってくれるものを造る。」とのこと。完全ハンドメイド製品だからこそ生まれる価値を語っていただきました。

岡本拓也さん
職人へのこだわり
それほど手作業にこだわる岡本さんの工房で働くスタッフは意外にもそれなりの革専門の道を歩んできた方かと思いきや、画家の方や韓国人の方などその経歴はさまざまです。なぜかと聞くと、革製造に対する先入観の無いスタッフの方がのみ込みが早く、品質を第一に考える、同ブランドの意図を疑問を持たずに受け入れてくれるとのことです。さらにスタッフそれぞれがゆくゆくは自身のブランドをプロデュースしていくことを目標にしているとあってか、スタッフ個々のモチベーションの高さを感じさせます。また、作業に携わったスタッフが直接お客様のもとへ出向くこともあり、責任感をもって作業にあたらせているとのことでした。製造工程に携わるスタッフの育成にも余念がありません。(実際たまたまスタッフの方が作っていたコバ磨きの出来栄えは岡本さんも絶賛するほど綺麗でした。)

素材へのこだわり
製品に使用する皮革は長年の使用に耐える厳選した天然素材のもののみを使用しています。革の特徴を見て同じ革でも使用する部位などを変えるとともに、染色もムラの無いものも使用しています。また、生産がストップしないようになるべく安定供給できるものを世界各国のタンナーからピックアップしているとのことです。代表的な素材には、クロコダイル、ドイツ産の子牛、手袋の素材に使われるベッカリー、香りが良いブッテーロ(成牛)などさまざまです。
また、製品に使用する糸にもこだわりがうかがえます。天然素材である太い麻糸を選択しており、染色からスタッフが行い、蝋引きして火であぶりなじませることで耐久をあげています。

革素材「クリスペルカーフ」

革素材「ぺッカリー」

革素材「ブッテーロ」

デッドストックの革素材

染色からスタッフが行う麻糸は蝋引きして火であぶりなじませることで糸の耐久をあげる
以上、オールハンドメイドだからできる、卓越した本物の皮革製品を是非一度お試しください。キングダムノートではインターネットと店頭にて販売中です。